大学生活でのICT環境
大学では,実習室のパソコン利用・授業の履修申請・図書館での図書検索・証明書の発行などのサービスが,
すでにコンピュータを前提にしたシステムになっています。
これらのシステムを利用するためには,学生それぞれに与えられるユーザIDとパスワードが必要となります。
ユーザIDは,そのまま大学のメールシステムのアドレス名にもなっているので,
入学後特に手続きをすることなく,全員電子メールを使うことができるようになります。
大学の情報システムを使ったり,事務局からの連絡の確認といったレベルのことは,ケータイやスマホでも
ある程度のことは可能な時代です。
しかし,大学の授業で課されるレポートは「ワープロソフトで仕上げる」ことが条件になったり,
プレゼンテーションソフトを使って学習成果を口頭発表したりする授業もあります。
また,調べものをインターネット上で行う機会も格段に増えますし,調べたことを表やグラフの形式で整理
するには,表計算ソフトが欠かせなくなります。
このように,大学の授業ではすべての科目でパソコン使用が前提であるといってもよいので,
入学前から覚悟しておきましょう。
パソコン購入ガイド
大学には情報教育実習室・LL教室・情報検索室と呼ばれる場所などを中心にコンピュータを揃えていますが,
これらは授業での利用を想定しており,学生全員がいつでも利用できるというわけではありません。
大学生活では,コンピュータ利用を前提にした授業も多く,
ネット検索やレポート作成・卒業論文作成などのためには,
自宅でも自由に使えるコンピュータがあるのが望ましいといえます。
これまで家庭にパソコンがなかったり,親元を離れるといった理由で,大学進学を機に新たに
購入しようという方のためにパソコン選びのポイントをいくつか挙げておきますので参考にしてください。
なお,2020年度は,新型コロナウィルス感染症の予防対策として,前期は全ての授業が,
後期も一部の授業を除いて,遠隔授業で行われました。
2023年度については,原則として対面方式での実施となる見込みですが,情報科目に関しては遠隔授業も併用する形での実施となる予定です。
全学的にも,各自が自前のパソコンを準備して必要なソフトウェアを自らインストールして使う形式
(BYOD=Bring Your Own Device)へ移行しており,自宅ではもちろんですが,
対面方式の授業と遠隔方式の授業がある日には,大学にパソコンを持ち込んで,対面方式の授業は教室で受けて,
遠隔方式の授業は学内のオープンスペースで学内の無線LAN(WiFi)に接続して参加する,
という場面が増えることが予想されます。
このため,入学前にモバイル型パソコンの準備を済ませておくことを強く推奨します。
パソコンのタイプは,大きくデスクトップ型,ノート型,タブレット型に分類できます。
性能重視であれば,今のところデスクトップ型から選ぶのが無難ですが,
いわゆる2 in 1(ノート型パソコンでありながらタブレットのような使い方もできるもの)の
機種も,比較的軽量で,使い勝手が着実によくなっています。
また,遠隔授業には,Zoomという遠隔会議システムを利用します。
パソコンに,ネットワークにつなぐための通信装置や,カメラやマイク,スピーカーなどの
マルチメディア対応のデバイスが必要となるので,これらのデバイスが内蔵されているか
どうかも重要なポイントになります。
授業の中には(すべてではないですが),通常の(紙の)ノート代わりに,ノート型パソコンや
タブレット型パソコンを持ち込んでもよい科目もありますので,これから新たに購入する場合にはモバイル型のパソコンを準備してください。
ただし,同等の処理性能の機種で比べるとデスクトップ型より割高になります。
毎日持ち運ぶことを考えると,より小型のものがいいわけですが,ある程度の
性能のものを選ぶとさらに高額になりがちなので,予算と相談しながら決める必要があるでしょう。
【参考】大学の推奨するパソコンのスペック(性能等の仕様):2021年度入学生より適用
- 「キーボード」があること ⇒ タブレットではなくパソコンが望ましい
- 「CPU がIntel Core i5 程度以上」であること
- 「メモリが8GB 以上」あること
- 「ストレージ容量が128GB 以上」あること ⇒ HDD ではなくSSD が望ましい
- 「Windows11」を搭載していること ⇒ 「MacOS」でも可。
- 無線LAN(Wi-Fi)を搭載していること
- カメラを搭載していること
最新の推奨スペックについては,大学のホームページに,2024年度入学者に向けた
『「ノート型パソコン」ご準備について』
(PDF文書,別ウィンドウで開きます)
に,さらに詳細な案内が掲載されていますので,参照してください。
【参考】の内容を補足した以下の点も考慮してみてください。
- 安価にすませようと中古品を選ぶ方もいるようですが,
初心者の方は避けたほうが賢明です。
説明書や復旧のためのソフトウェアが添付されていない,
故障時のメーカー保証が受けられないなどの不便な思いをすることになります。
モデルチェンジの時期であれば,未使用の旧モデルが在庫整理の関係で割安に入手できるかも知れませんので,最新モデルにこだわることなく新品を購入することをお奨めします。
- メーカーは特に気にする必要はありません。
いわゆる大手のものであれば,とりあえず安心してよいでしょう。
機能的には大差ありませんので,外形のデザイン・キーボードの感触・画面の大きさなどを店頭で確認して,
好みのものを選んでください。
なお,大学で利用できる共用パソコンの多くは,MicrosoftのWindowsで動作するものです。
- 性能的には,この1〜2年のうちに発売されているものであれば十分です。
経済的に余裕があれば,メインメモリー(RAM(ラム))を大きめ(余分に追加しておくか,最初から
大きめの値の機種を選ぶ)と処理速度の低下を防ぐことができます。
最近の機種では,最低でも4GB(ギガバイト)のメモリーが搭載されていますが,推奨スペックにも
あるように「8GB以上」は必ず欲しいところです。
また,内蔵のディスク(ストレージ)には磁気式のもの(Hard Disk Drive=HDD)と
半導体によるもの(Solid State Drive=SSD)があり,前者は記憶容量も多く取れて価格が安い反面,
反応速度がやや遅いといった面があり,後者は反応速度が速い反面,記憶量当たりの単価が割高になり
寿命も幾分短い(データの書き込み回数に限界がある)という面があります。
All in Oneと呼ばれるノート型やデスクトップ型の多くはHDDが標準ですが,
タブレット型のものや薄型のノート型ではSSDが内蔵される傾向にあります。
メモリーは8GB,SSDを256GB以上搭載しており,価格帯的には15万〜20万円のものであれば,
在学中は不足なく使えると思います。
また,遠隔授業での利用も考慮すると,通信機能(WiFi)はもちろんのこと,カメラやマイク,
スピーカーは内蔵されているものが望ましいです。マイク・スピーカーについては,周囲への
音漏れ配慮やキーボードの打鍵音を拾わないということから,マイクとイヤホン(ヘッドホン)
がセットになった「ヘッドセット」の使用を推奨します。
- ソフトウェアについては,多くの機種で添付されている
ワープロ・表計算ソフトだけでは”不足”します。
少なくともプレゼンテーション作成ツール(代表的なものはMicrosoftのPowerPoint)は必要になります。
なお,入学後に大学生協で購入すると,学生割引で若干安価に入手できますし,
在学期間の間のみという制約はありますが,大学で一括契約している Microsoft 365 という製品を
各自のパソコンにインストールして使うこと(在学期間のみの無償貸与)が可能です。
入学前に入手する場合には,「Officeなしモデル」を選択し,入学後に大学の提供する
ソフトウェアをダウンロードしてインストールするということも選択でき,
Windowsパソコンを選んだ方は,入学までは,同じ Microsoft 365 のオンライン版
(Windows利用のための Microsoftアカウント で無償利用可能)で,代用しておくという手もあります。
ただしオンライン版では機能が制限されたりすることもあるので,早い段階でパソコンにインストール
して使用するデスクトップ版に移行しておきましょう。
AppleのmacOSパソコンを選んだ方は,オフィス系のプログラムもバンドルされていますが,文書やデータの
標準形式が Microsoft のものとは違っていたり,操作画面の様子も違ってくることを理解して使ってみましょう。
上記の大学から無償貸与されるMicrosoft 365はmaOS版も準備されているので,入学後には移行しておくことを
推奨します。
- オフィス系と呼ばれるソフトウェア以外には,コンピュータウィルス
などによる被害を防ぐためのアンチウィルス(ウィルス対策)ソフトウェアは必須となります。
これもパソコンにおまけでついてくる場合が多いですが,使い始めて1か月〜半年を経過すると
契約の更新(つまり費用の発生)が必要となる場合も多いので,よく確かめておくことが肝心です。
アンチウィルスソフトウェアについても,大学で一括契約しているため,在学中に限って,
ウィルスバスターという製品が利用可能です。入学前の段階では,パソコンに付属しているものを
使用したり,個人でアンチウィルス(ウィルス対策)ソフトウェアを購入・インストールしてください。
- その他,プリンターはあった方が便利です。
印刷方式には大きく,インクジェット式のものとレーザー式のものがありますが,
どちらを選んでも構いません。本体価格だけでなく,インクなど消耗品の交換頻度
や1回の交換で何枚印刷できるか(1枚当たりの単価)も念頭に選んでみましょう。
多少価格は高くなりますが,スキャナーやコピー機としても使えるもの(複合機と
呼んでいる場合もある)がオススメです。
- インターネットの利用環境もできるだけ導入することをお奨めします。
ノート型やタブレット型の場合は,大学構内で無線LANが使えますので,
無線LAN(WiFi)に対応したものを選んでください。
大学入学を機に一人暮らしを始める人は,入居する部屋がインターネット環境に対応しているか
確認しておくことをお薦めします。スマホのデータ通信と共有する使い方(テザリングとか
インターネット共有と呼ばれる機能)では,(契約内容によりますが)通信量に制限があったり,
制限を超えると速度の低下を招いたり追加の通信料が発生するなど,経済的にも不利なので,
居室まで光回線(もしくはケーブルテレビのネット回線)を引き込み,専用のWiFiルータや
可能ならば通信の安定性などは有線の方が優れているので,有線LAN(タブレットや最近の
ノート型パソコンでは,有線LANのためのアダプタが必要なことに注意)での使用をお薦めします。
なお,まったくインターネットの環境がない場合に,設置工事の不要な(電源を入れるだけの)WiFiルーターを購入する場合には,電波の状況(携帯電話網の4Gあるいは5G)を確認しておきましょう。携帯電話のつながりにくい環境では,これらのWiFiルーターも機能を発揮できません。
-
遠隔授業では,Web会議のサービスを利用する都合があるので,
パソコン本体に,カメラやマイクが内蔵されているものを選ぶか,Webカメラや
ヘッドセット(ヘッドフォンとマイクがセットになったもの)を追加で準備しておく
ことを推奨します。また,パソコンの実習を伴うような遠隔授業(「情報リテラシー」など)では,
教員がWeb会議のシステムを使って送ってくる画面と手元のパソコンの操作画面とを同時に見るた
めの工夫も必要です。
Web会議システムの画面の視聴はスマホやタブレットを用い,パソコン操作は別のマシン,
というような使い方とか,ノートパソコンであれば,パソコン本体のモニターとは別に外部のモニター
(モバイルモニターと呼ばれるようなもの,パソコン本体とUSB-Cで接続できるタイプであれば,
モニターへの電源も供給してくれるので余分な電源アダプターが不要です〜持ち運びの重さが
気になりますが)を用意して,両方の画面を同時に見ることも可能になります。
自宅での履修のような場面では,専用のモニターでなくても,外部入力にPC用のコネクタやHDMIの
受け口が余分にあるテレビが使えますので,いろいろ試しておくのがいいでしょう。